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【大引け概況】



1日の日経平均株価は大幅に続伸した。終値は前日比742円80銭(2.41%)高の3万1601円65銭と、この日の高値で引けた。上げ幅は今年2番目の大きさ。
 
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きょうはリスクオンが鮮明となり、日経平均は朝方高く始まった後も一段と水準を切り上げ、高値圏で終日強含みに推移した。前日の欧州株市場が総じて高かったほか、米国株市場でも主要株価指数が揃って上値を指向、東京株式市場もこの流れを引き継いだ。また、前日の日銀金融政策決定会合後に外国為替市場で1ドル=151円台後半まで円安が進行したことも輸出株を中心に追い風材料となった。そのなか日経平均は先物主導でインデックス買いが入り、上げ足が助長された形だ。個別株は決算発表の結果によって明暗を分けたが、きょうは好決算を評価する買いが目立つ地合いとなった。
 
日銀が前日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。ただ、微修正にとどまり、市場の想定ほど金融政策の正常化に前のめりではないとの受け止められた。イベントを無難に通過し、売り持ち高を膨らませていた海外ヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物に買い戻しを入れたようだ。財務省の為替介入が10月はなかったことが分かり、円買い介入への過度な警戒感が後退したことも外需株の買い安心感につながった。
 
日経平均は大引けにかけて強含んだ。トヨタが午後に2024年3月期の連結業績の上方修正を発表し、市場予想平均のQUICKコンセンサスも上回った。トヨタに好感した買いが入って上げ幅を広げると、円安進行を追い風にした企業業績の改善期待が市場全体に広がった。
 
東京株式市場は米株高、円安の流れに乗って日経平均が大きく値を戻す展開に。先物には短期筋の買いが入り踏みを誘う動きとなっている。一方、実需の回復は遅れ気味で中頃以降はさほど上値を伸ばせない状況に。チャート面では25日移動平均線(3万1468円)を超えて短期的なトレンド転換を果たしているが、持続的に超えられるか見極める必要がまだありそうだ。

 

東証株価指数(TOPIX)は続伸し、56.96ポイント(2.53%)高の2310.68で終えた。JPXプライム150指数も続伸し、25.61ポイント(2.61%)高の1006.32だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆8360億円。売買高は19億4396万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1308と、全体の約8割を占めた。値下がりは328、変わらずは22銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、証券・商品先物取引業、海運業、精密機器などが上昇。下落は空運業。
 
個別では、4600億円を超える巨額の売買代金をこなしたレーザーテックが急伸、東エレクや信越化、スクリンも買われた。トヨタ自動車も商いを膨らませ上昇。ホンダやSUBARU、スズキなど自動車株が上昇した。ファストリやファナック、TDKなど値がさ株が高い。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買いを集めた。キーエンスが値を上げ、村田製作所も水準を切り上げた。三菱商事も高い。ワコムはストップ高に買われ、飯野海運が急騰。三菱電機の上げも目立つ。日本電子が値を飛ばし、王将フードサービスも大きく上値を伸ばした。
 
半面、アドバンテストが大幅安。ソシオネクストが大きく下値を探った。ディスコも冴えない。日本航空が売り優勢だったほか、NECも値を下げた。M&Aキャピタルパートナーズがストップ安。IDOMも一時値幅制限いっぱいに売られる場面があった。スミダコーポレーション、牧野フライス製作所も急落。オークマ、住友ファーマが下落した。日ハムやニチレイが売られた。