前日の米株式市場は、新規失業保険申請件数が増加し利上げペース減速に向けた期待が浮上したことを受け、NYダウが183ドル高と上昇した。中国でのゼロコロナ規制の緩和に向けた動きも好感された。この流れを受けた、この日の東京株式市場も買い先行の動きとなった。半導体関連など値がさ株が上昇し、日経平均株価を押し上げた。ただ、今晩に米11月卸売物価指数(PPI)の発表が予定されていることから、買い一巡後は様子見姿勢が強まり、高値圏での一進一退となった。
日経平均は前日におよそ1カ月ぶりの安値水準を付けていたため、目先の反発を見込んだ買いが入りやすかった面もある。主要な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日に上昇し、東京株式市場でも半導体関連の上昇が目立った。
午後に入ると、高値圏での膠着が続いた。新規の取引材料に乏しかったうえ、9日の米株式相場の動向を見極めたいとの見方から積極的な売買は手控えられた。
この日算出の日経平均先物・オプション12月限メジャーSQ(特別清算指数)値は2万7576円37銭。
市場からは「前場は勢いよく上げたが、後場は静かで来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けた重要イベント待ちの状態だ。米利上げペースの減速が観測されるが、一方で米景気後退がどの程度になるかが気になる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、20.06ポイント(1.03%)高の1961.56で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆9321億円、売買高は11億2588万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1387、値下がり銘柄数は372、変わらずは77銘柄だった。