きょうの東京株式市場は強弱観対立のなか、先物を絡め日経平均は上下に不安定な値動きとなった。前日の米株市場は奴隷解放記念日の祝日に伴い休場だったが、欧州株市場では主要国の株価指数が総じて軟調で、これを受けて東京株式市場でもリスク回避ムードが強かった。前場は中国人民銀行による利下げの動きを好感し、日経平均はいったんプラス圏に浮上したものの、その後に売り直される展開で前引けは200円あまりの下落。更に後場寄りに先物主導で一段安となったものの、今度はすぐに切り返す展開となり下げ幅を縮小した。
日経平均はマイナス圏で推移する時間帯が長かった。午前に中国人民銀行(中央銀行)は事実上の政策金利を10カ月ぶりに引き下げた。引き下げの発表直後は機械的な買いが入ったものの、買い一巡後は「利下げをしなければいけないほど中国景気は悪いのではないか」との受け止めがあり、同国の景気懸念から鉄鋼や機械株に売りが膨らんだ。
ただ、引け際に一段高となり、結局プラス圏で引けている。総合商社株や半導体関連株が買われ全体相場を押し上げた。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による買い増しが明らかとなった5大商社株が軒並み上昇し、相場を押し上げた。日本株の先高観は根強く、4月からの上昇局面で買い遅れた投資家の押し目買いも入った。取引終了にかけては買いの勢いが強まり、日経平均は上昇して終えた。
5大商社株は朝方から買いが優勢で、三菱商や三井物、住友商、伊藤忠、丸紅はそろって上場来高値を更新した。バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの子会社、ナショナル・インデムニティー・カンパニーが5大商社の株式を買い増し、平均8.5%以上保有したことが19日の取引終了後に明らかとなった。アドテストなどの半導体、ソフトバンクグループ(SBG)、ファストリなど主力の値がさ株の上昇も目立ち、日経平均は100円高まで買われる場面があった。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、終値は前日比6.65ポイント(0.29%)安の2283.85だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8952億円。売買高は13億1827万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は777、値下がりは971銘柄、横ばいは86銘柄だった。