きょうの東京株式市場は、リスク選好のなか主力株中心に広範囲に買われる展開となった。前日の欧米株市場が総じて高かったことでマーケット心理が改善した。パウエルFRB議長の米下院での議会証言に注目が集まっていたが、3月利上げを明示したものの、利上げ幅は0.25%を示唆したことで、米国株市場では安心感が広がり、600ドル近い上昇をみせた。これを受け東京株式市場でもハイテク株や金融株が買われたほか、海運、非鉄といった市況関連株にも大きく水準を切り上げる銘柄が相次ぎ、全体相場を押し上げた。
日経平均の上げ幅は300円を超える場面があった。買い一巡後は次第に上げ幅を縮める展開だった。
ウクライナに侵攻したロシアが停戦に向けた対話を続けるとの姿勢を示し、警戒感が和らいだ。前日の米債券市場では長期金利が上昇(国債価格は下落)した。利ざや改善の思惑から、三菱UFJや三井住友FG、第一生命HDなど金融株に買いが集まった。このところ下げが目立っていた自動車株や資源高の恩恵を受けやすい商社株にも買いが入った。
半面、ニューヨーク先物市場の原油先物が日本時間3日の取引で上げ幅を広げる場面では、日経平均が伸び悩んだ。企業業績の悪化や個人消費の落ち込みなどが意識された。ロシアに対する経済制裁が金融市場に与える影響が見極めきれないなか、積極的な売買を見送る雰囲気もあり、東証1部の売買代金は6営業日ぶりに3兆円を下回った。
市場では「現地4日には米2月雇用統計の発表を控えることもあり、積極的な売買は限られ、ウクライナ情勢に左右される展開を強いられそう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発した。東証株価指数(TOPIX)も反発し、前日比21.86ポイント高の1881.80で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆7561億円。売買高は12億3494万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1424と、全体の65%を占めた。値下がりは667、変わらずは89銘柄だった。