朝方は、売りが先行した。原油高騰による世界景気の悪化懸念が続き、7日の欧米株式が続落した流れを受け、いったん2万4900円割れ水準に下落した。その後、時間外取引のNY原油先物が値を下げたことで日経平均は上げに転じる場面もあったが、買いは続かず再度軟化。時間外でNY原油先物が再上昇するとともに米株価指数先物が安くなり、下げ幅を拡大して大引け間際に2万4767円33銭(前日比454円08銭安)まで下押した。
原油関連銘柄など市況の強さを背景に最近上昇していた銘柄にも利益確定売りが出て下げ幅を広げた。ウクライナとロシアの停戦交渉は7日に開いた3回目も進展がみられなかった。10日に予定するトルコ、ロシア、ウクライナの外相会談についても期待薄との見方が強まっている。
日経平均は午前に上昇に転じる場面もあった。日本時間8日午前のニューヨーク市場で原油先物相場の上昇が一服したためだが、年金基金など長期の投資家による値ごろ感からの買いや、短期筋のショートカバー(売り方の買い戻し)が一巡した午後には再び売りに押された。
市場からは「後場から下げ足が強まった。時間外の米原油先物高、米株先物安をにらみ、短期筋が先物主導で売っている。日経平均2万5000円割れで、次の下値メドとして2万4500円がサポートになるかが問われる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、前日比34.17ポイント(1.90%)安の1759.86と、昨年1月に付けた安値を下回り昨年来安値を更新した。JPX日経インデックス400は大幅に3日続落した。
東証1部の売買代金は概算で4兆768億円と、21年11月30日以来の高水準だった。売買高は18億7340万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1788と、全体の約8割を占めた。値上がりは346銘柄、変わらずは46銘柄だった。