日経平均が前週末に約600円の上昇で1年2カ月ぶりに2万4000円台を回復していたため、いったん利益を確定する目的の売りが出た。
米中協議の第1段階の合意については織り込みが進んでいたこともあって、前週末の米国株市場ではNYダウは続伸したものの上げ幅は3ドル強にとどまったことで、東京株式市場では利益確定の動きを誘発した。ただ、下値では買い板が厚く押し幅は浅かった。
米国は15日に予定していたスマートフォンなどが対象の対中制裁関税「第4弾」の残り1600億ドル分の発動を見送り、9月発動分(1200億ドル分)の関税率を15%から半減することを決めた。一方、第1〜3弾(2500億ドル分)の25%は維持した。事前の期待ほど関税引き下げの対象が少ないとの見方や、今後の米中交渉に対する警戒感が売りを促した面もあった。
一方、英総選挙の結果を受けて同国の合意なき欧州連合(EU)離脱が回避されるとの観測が広がったほか、中国の11月の小売売上高が市場予想を上回るなどおおむね堅調だったことは日本株の底堅さにつながった。日本時間今晩に12月の米製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値、IHSマークイット調べ)など注目度の高い海外指標の発表を控え、後場は前週末終値(2万4023円)近辺で膠着する場面が多かった。
もっとも、売買代金の少なさを見ると、押し目買い意欲が強かったというより、「閑散に売りなし」という相場格言通りの展開に過ぎなかったと評価することもできる。
週初で米国の機関投資家があまり取引に参加せず、個人投資家による個別物色が目立った点も考慮すると、この日の動きだけで地合いを判断することはできないだろう。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前週末比34.81ポイント安の1万5520.77だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、3.11ポイント安の1736.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8617億円。売買高は11億3444万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1047と、全体の約5割を占めた。値上がりは992、変わらずは118銘柄だった。