前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が高安まちまちの展開で、新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株に対する過度な警戒感の後退から景気敏感株が買われたものの、半導体関連をはじめハイテクセクターが売られる展開となった。これを引き継ぐ形で半導体製造装置の主力どころが大きく値を下げたほか、一部の値がさ株への売り圧力が強く、全体指数を押し下げる形となった。香港や中国などアジア株市場が軟調な動きをみせたことも買いを手控えさせた。
ただ、きょうは12月末の配当権利落ちに伴い37円程度日経平均を押し下げており、それを差し引けば下げ幅は120円あまりにとどまった。値上がり銘柄数は全体の7割強を占め、売買代金も2兆円台をキープした。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」を巡っては、重症化リスクは少ないとの見方がある一方、欧米では新規感染者数が過去最多となるなど感染が急拡大している。国内でも市中感染が相次ぎ判明している。
市場では「欧米の株式市場で再び警戒感が強まって相場が急落しかねないとの懸念もあり、持ち高調整の売りが出た」との指摘があった。
日経平均は前日に約1カ月ぶりに2万9000円を上回り、戻り待ちの売りも出やすかった。
半面、空運や陸運、小売りなど景気敏感株の一角は買いが優勢で相場を下支えした。日経平均は、朝方には上昇に転じる場面もあった。日本株には米株などに比べた出遅れ感も根強い。200日移動平均(2万8831円、28日時点)近辺では押し目買いも入った。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、6.03ポイント(0.30%)安の1998.99で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆392億円。売買高は8億5258万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は540と、全体の約25%にとどまった。値上がりは1587、変わらずは49銘柄だった。