きょうの東京株式市場は、見送りムードの強い展開となった。世界で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、主要都市で経済活動の制限強化が進んでいる。国内でも菅政権は観光支援策を一時停止することを決定、景気先行きに対する懸念が買い気を削ぐ格好となった。あすまでの日程で行われるFOMCの結果を見極めたいとの思惑も上値を重くした。
ただ、前日の米国株市場ではNYダウが安かったもののナスダック総合指数はプラス圏を維持したこともあって、東京株式市場でも日経平均の下げ幅は限定的なものにとどまった。
経済成長の強さが主要経済統計から確認された中国の関連銘柄や巣ごもり需要銘柄などには下値で押し目買いも入り、相場を下支えした。
米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で、日本時間15日午前の取引時間中には堅調に推移していた米ダウ工業株30種平均先物で流動性の高い「Eミニ・ダウ工業株30種平均」が、午後に入り上げ幅を急速に縮め、一時下落に転じると日経平均も下げ幅を拡大する場面があった。
15日から米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。市場関係者からは「今回のFOMCではネガティブ・サプライズの可能性も少なくない。結果と、結果を受けて株式市場がどう反応するかを見極めたいという投資家が多く、今日は様子見姿勢が強かった」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比85.22ポイント安の1万6109.84だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、8.47ポイント安の1782.05で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2219億円。売買高は11億1825万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1177と、全体の5割強を占めた。値上がりは894、変わらずは110銘柄だった。