前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って軟調だったことを受け、リスク回避の流れに傾いた。香港株市場が目立った下げをみせたほか、その他アジア株市場が総じて冴えない動きとなったことで見送りムードを助長し、日経平均の下げ幅は一時280円強に広がった。
後場も前半は安値圏で売り物をこなす展開だったが、午後2時過ぎに先物を絡め日経平均は急速に水準を戻し、一時上昇に転じる場面があった。日本経済新聞電子版が政府は19日に閣議決定する経済対策規模が当初見通しから上振れし56兆円規模となったとの報道を巡り、先物へのショートカバーなどが全体相場に浮揚力を与えた。
「財政支出の規模は大きいものの、回復の遅れている国内消費を刺激するかどうかについては懸念がある」との見方を示していた。買い一巡後は大引けにかけて日経平均は再び下げた。
原油など資源価格の下落で、鉱業や石油、ゴムといった素材関連の下げが目立った。川崎汽や郵船といった海運株も大きく下げた。
市場では「大型経済対策の報道で一時上昇に転じたが、一方で、金融所得課税の強化や住宅ローン減税の控除率縮小なども検討されていることが、重しとして意識されたようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、終値は前日比2.82ポイント安の2035.52で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8167億円、売買高は12億2040万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1314と、全体の約6割を占めた。値上がりは770、変わらずは99だった。