朝方は軟調。前週末の欧州株市場が全面安だったことや、米国株市場でも景気敏感株を中心に売られNYダウの下値模索が続いていることから、日経平均は安く始まった。ドイツやオーストリアなどで新型コロナウイルスの感染が再拡大し、経済回復が遅れることへの懸念が重荷となっている。
塩野義やアステラスなど医薬品株の上昇が相場の押し上げ役となった。景気変動の影響を相対的に受けにくいという位置づけから買いが入った。景気敏感株のなかでも、業績や株主還元への期待が根強い海運や商社株の一角には買いが入った。
しかし、売り一巡後は下げ渋る展開となり、後場に入ると一段と下げ幅を縮小、堅調な値動きを示す米株価指数先物の動きを横目に日経平均は午後1時半頃にプラス圏に切り返した。一方、2万9800円近辺では売り圧力が強く、結局日経平均は高く引けたものの、上げ幅は30円弱にとどまった。あす祝日で休場とあって、様子見姿勢から積極的な上値追いは限られた。
政府による経済対策が消費拡大につながるかどうかにも懐疑的な声が聞かれた。商いも低調だった。
市場からは「欧州の感染拡大は心理的な重しになるが、一方で時間外の米株先物高が支えとして意識される。もっとも、短期筋中心の動きとみられ、外部要因などをにらみつつ、売ったり買ったりしているにすぎない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前週末比9.00ポイント安の1万8445.33だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、1.71ポイント安の2042.82で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3720億円と、約1カ月ぶりの少なさだった。売買高は10億6538万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1054と、全体の約48%だった。値下がりは1023、変わらずは106銘柄だった。