前日の米国のトランプ大統領の演説では、米中協議について新たな内容が出なかった。
このため、東京株式市場では寄り付き直後から失望売りが広がり、ジリジリ値を下げた。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=108円台後半まで上昇。鉄鋼など景気敏感株や値がさ株の一角に売りが出て相場を押し下げた。香港情勢の緊迫化を背景に香港ハンセン指数が再び急落すると、日経平均は下げ足を速め、一時250円安に迫った。
前日の東京市場で講演前に短期志向の海外勢が先回り買いを入れて後場に急伸したこともあって、短期筋が先物などに損失限定の売りを出した。
売り一巡後は下げ渋った。日本時間14日未明にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が予定され、結果を見極めたいとして、後場は積極的な売買を見送る投資家が多かった。
市場では、決算シーズンも終盤に入り、「個別物色の動きも下火になった」ため、売買代金も先週に比べ落ち着きを見せている。手掛かり材料難の中で「投資家が日本株を買う動機が薄れており、月末にかけて2万2500円を底値とした調整局面に入る」との見方も出ている。
JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反落。終値は前日比87.40ポイント安の1万5180.28だった。東証株価指数(TOPIX)は7日ぶりに反落し、9.34ポイント安の1700.33で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1558億円。売買高は12億1532万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1606と、全体の74.5%を占めた。値上がりは479、変わらずは68銘柄だった。