前日の米国株市場でハイテク株が売られた流れを受け、売り優勢の地合いが想定されたが、原油価格の下落や1ドル=118円台に入った円安を好感する形で、主力株をはじめ幅広く買いが優勢となった。
為替メリットが期待される自動車株や米長期金利の上昇を背景に銀行や保険株などが買われ全体を牽引した。ただ、あす16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表と、パウエルFRB議長の記者会見を控え積極的に上値を買う動きもみられなかった。ロシアとウクライナを巡り停戦交渉に向けた動きが依然として不透明で、香港株の急落をはじめ軟調なアジア株の動向も市場のセンチメントを冷やした。
日本時間15日の米市場では原油先物相場が下落して1バレル100ドルを再び割り込んだ水準での推移が続いた。最近は原油高が企業収益や家計を圧迫するとの見方から株式相場を下押しするケースが多かったため、原油先物相場の落ち着きは投資家の過度の懸念を和らげた。
外国為替市場で約5年ぶりに1ドル=118円台まで円安・ドル高が進んだことも支援材料となった。輸出採算の改善につながるとみて自動車株をはじめとした輸出関連株に物色が向かった。
しかし日経平均は下げる場面も多かった。米連邦準備理事会(FRB)が15〜16日に開くFOMCにあわせて公表する金利見通しは、金融引き締めの加速を示唆する内容になるとの予想が多い。金利上昇で割高感が意識されるグロース(成長)株の一角には売りも出て、相場の重荷になった。
ロシアとウクライナの停戦協議が進まずに依然として先行き不透明感が強いことや、15日の香港株や上海株が大幅に下落したことも上値を抑えた。ロシアや中国の関連銘柄に位置づけられるファストリは大幅安となり、1銘柄で日経平均を90円超押し下げた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前日比14.35ポイント(0.79%)高の1826.63で終えた。JPX日経インデックス400は続伸した。
東証1部の売買代金は概算で2兆7976億円。売買高は12億2208万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1761と、全体の約8割を占めた。値下がりは373銘柄、変わらずは46銘柄だった。