はっきりしない地合いで、日経平均は前日終値を挟んだ狭いレンジで往来する展開となった。前日の欧州株市場は独DAXが最高値を更新したものの主要国の株価指数は高安まちまちで、米国株市場も買い気に乏しくNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で引けた。東京株式市場もこれを引き継いで方向性の見えにくい相場となった。ファストリなどの値がさ株に売りが出た。日経平均は前日の急落の反動で値ごろ感から押し目買いが観測されたものの、手掛かり材料不足で上値を買い進む動きには発展しなかった。
一方、3月期末を前に機関投資家のリバランス売りが観測され、大引けはわずかにマイナス圏で着地している。ただ下値抵抗力は随所に発揮され、業種別では33業種中19業種が上昇するなど半分以上が高く、個別でみても値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を130あまり上回っている。
前日に日経平均は最高値から反落したが、デフレ脱却期待や企業収益改善など日本株を取り巻く環境は良好との見方が根強く、下値で買いを入れる動きが目立った。27日に3月期決算銘柄の配当権利付き最終売買日を控え、配当権利取りの買いも相場を支えた。方向感が乏しく、日経平均の日中の高値から安値を差し引いた値幅は248円と2月28日(208円)以来の小ささだった。
投資家の関心は28日に判明する3月の日銀金融政策決定会合における「主な意見」や29日発表の2月の米個人消費支出(PCE)デフレーターの結果に移っている。今後の金融政策の修正に関するヒントをつかみ取りたいと考えている向きが多く、それまでは年度末特有の需給イベントをこなしながら、日経平均は4万円の値固め局面が想定されるだろう。