中国・上海をはじめとしたアジアの株式相場や米株価指数先物が時間外で下げたのを受け、米保護主義への警戒が改めて広がった。投資家心理が悪化し、日本株の売りを促した。
北朝鮮の非核化が順調には進まないとの報道で朝鮮半島情勢を巡る地政学リスクが意識されたのも相場の重荷となった。
後場に、仕掛け的な売りが出て状況は一変。下げが加速し、大引け間際には一時2万1784円48銭(前週末比520円03銭安)まで下落する場面があった。
中国株が反落したことや、メキシコ大統領選で新興左派政党の候補が当確となったことが要因に上げられているが、「確たる材料はない」状態。「先行きの警戒で日経平均先物に短期筋の売りが出たほか、買い方の手じまい売りも重なった」とみられる。
日経平均は2万2000円を割り込み、5月安値(2万1931円65銭)を下回り、チャート的には嫌な下げだ。ただ、ファンダメンタルズを踏まえると、これ以上は売り込みにくいのではないか」との声が聞かれた。
業種別株価指数(33業種)は、全面安。中でも、小売業、食料品、ゴム製品の下落が目立った。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前週末比35.60ポイント安の1695.29で終えた。JPX日経インデックス400も反落。終値は同314.10ポイント安の1万4998.30だった。
商いは比較的低調で、東証1部の売買代金は概算で2兆2992億円だった。売買高は13億7285万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1935、値上がりは131、変わらずは28銘柄だった。
個別では、ファーストリテイリングが大幅安、資生堂も急落した。トヨタ自動車、武田薬品工業、任天堂が下落、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも軟調。ネクステージ、アダストリア、KLabなどが急落、シャープが売り込まれ、スギホールディングス、ペプチドリームなども大幅安。パルコ、日本M&Aセンターなども安い。
半面、ソフトバンクグループ、富士通などが底堅く、太陽誘電も逆行高。日本エスコンがストップ高に買われたほか、アルテック、Gunosyも活況高の様相。マネックスG、エムアップ、ブレインパッドなども上昇した。
東証2部株価指数は前週末比98.64ポイント安の7249.18ポイントと反落した。
出来高7719万株。値上がり銘柄数は126、値下がり銘柄数は336となった。
個別では、安川情報システム、バナーズ、新内外綿、サンコーテクノ<、伊勢化学工業<4107>など37銘柄が年初来安値を更新。アサヒ衛陶、プロパティエージェント、ウェルス・マネジメント、日本和装ホールディングス、スマートバリューが売られた。
一方、アヲハタ、セイヒョー、あじかん、カワサキ、サイオスなど6銘柄が年初来高値を更新。小島鉄工所、コーア商事ホールディングス、黒谷、イトーヨーギョー、ケミプロ化成が買われた。