きょうの東京株式市場はリスクオンの流れに乗り、日経平均は2万9000円大台ラインを突破し、2万9200円台まで一気に水準を切り上げた。前日の米国株市場では小売り大手の決算発表を好感する形で消費関連株全般に買いが波及し、NYダウは200ドルを超える上昇で約3か月半ぶりに3万4000ドル台を回復、これを引き継いで東京株式市場も幅広い銘柄に投資資金が流入した。
寄り後に先物主導で日経平均は上げ足を強め、空売りの買い戻しも誘発した。日本時間今晩に発表される7月の米小売売上高や、あす未明に予定されるFOMC議事要旨の開示を控え、米株価指数先物は様子見ムードの動きとなったが、それに関係なく日経平均は上げ幅を広げた。値上がり銘柄数は1400を上回り、プライム市場の8割近い銘柄が上昇する買い気の強い地合いだった。
米小売り大手のウォルマートとホームセンターのホーム・デポが16日発表した決算が良好な内容で、米景気の後退懸念が和らいだ。16日の米市場では消費関連株や景気敏感株が買われ、この流れを東京株式市場も引き継いだ。
ただ、ダブル・インバースの口数が過去最高水準になっており、足元では日本株が先行き下落するとみている投資家が多く、これによるカバーの動きが指数を押し上げていることの一因である。この需給が一巡してくるようだと、次第に上値の重さが意識されてくる可能性には注意する必要がありそうだ。また、来週には各国の中央銀行関係者らが出席する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を控え、米国の利上げ動向がどうなるのかも見極める必要もありそうだ。