朝方から買い優勢の展開で日経平均は前日比プラス圏での展開に終始した。米国家経済会議委員長のコーン氏の辞任は株式市場の波乱要因となったが、その一方で、ホワイトハウスが鉄鋼やアルミニウム関税強化の対象国について柔軟な姿勢を示すなど、トランプ政権の保護主義に対する過剰な警戒ムードが和らいだことは、買い安心感につながった。
値がさのハイテク株を中心に買い戻しが入った。朝方には一時上げ幅を230円強に広げた。
ただ、上値は重かった。3月期決算期末を控えた国内機関投資家の利益確定売りが出て、日経平均は午後に上げ幅を縮めた。9日に2月の米雇用統計の発表を控え、積極的な買いが見送られた面もあった。
学校法人「森友学園」への国有地売却で決裁文書が書き換えられた疑惑を巡って国会が紛糾しているが、現時点では「安倍晋三政権の政権運営に深刻な影響をもたらす展開にはならないとの見方が多く、市場での反応は限られている」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比53.00ポイント高の1万5114.52だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、5.99ポイント高の1709.95で終えた。
東証1部の売買代金は、2兆5017億円。売買高は12億2576万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の45%にあたる938だった。値下がりは1042、変わらずは90だった。
個別では、東京エレクトロン1銘柄で日経平均を30円強、押し上げた。キーエンスや村田製、SMCが買われた。業績予想の上方修正を発表したエーザイの値上がりも目立った。任天堂やソフトバンクグループ、SBIホールディングスが買われた。メディカル・データ・ビジョンが急伸、イー・ガーディアンも値を飛ばした。
一方、花王や資生堂、コマツは下げた。ファストリ、住友金属鉱山、三菱商は売られた。
鳥貴族、東京エネシスが急落、GMOインターネット、アイスタイルも大きく値を下げた。アインホールディングス、日本電子なども安い。
東証2部株価指数は前日比85.32ポイント高の7278.28ポイントと反発した。
値上がり銘柄数は280、値下がり銘柄数は160となった。
個別では、昭和化学工業が一時ストップ高と値を飛ばした。ベネフィット・ワン、ファーマフーズ、プロパティエージェント、D.A.コンソーシアムホールディングス、アライドテレシスホールディングスなど6銘柄は昨年来高値を更新。京都ホテル、アイスタディ、原田工業、DNAチップ研究所が買われた。
一方、ジオスター、オプティマスグループが昨年来安値を更新。イサム塗料、大和自動車交通、セコム上信越、ブルボンが売られた。