きょうはリスクオフの流れに晒された。前日の米国株市場ではFRB高官の相次ぐタカ派発言などを受け、米10年債利回りが急伸、これを背景にハイテクセクターなどに売りがかさみ主要株価指数が揃って下落。とくにナスダック総合株価指数の下げが目立った。東京市場でも朝方から売りに押される展開となり、日経平均は一時570円強の急落をみせるなど波乱含みの地合いとなった。ウクライナ情勢の不透明感が依然として拭えないほか、日本時間あす未明に開示される3月開催分のFOMC議事録の内容を見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。
金融引き締めに慎重なハト派で知られていた米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が、5日の講演で量的引き締め(QT)を5月にも急ピッチで始めるとの見通しを示した。米長期金利の上昇を受けて東京株式市場では割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)株を中心に売りがかさみ、値がさのハイテク株などが大幅安。日経平均の下押しにつながった。
日本時間7日未明には、FRBが利上げを決めた3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表する。米金融政策への関心が改めて高まるなか、QTへの具体的な言及などがあれば先行きの米株式相場の一段の重荷になりかねないとの懸念も、投資家心理を弱気に傾けた。
市場からは「海外投資家は全体的に売り越しながら、買いオーダーもパラパラと入っている。米金融政策については織り込みが進んでいるとみられるが、まだ先行きを懸念する向きもいる。これといったプラス要因が見当たらず、決算シーズンまで動かない可能性もある」との声が聞かれた。