足元の株安で値ごろ感が出てきた銘柄に短期の戻りを期待した買いが入り、相場を押し上げた。市場では一部の年金基金による買いを指摘する声もあった。
きょうの東京株式市場は、主力輸出株中心に自律反発狙いの買いが優勢となり日経平均は上昇した。これまで売り込まれた半導体関連や海運株、自動車株などにショートカバーが入ったほか、年金基金など足の長い資金の流入も観測された。
前週末の米国株市場ではNYダウが500ドルの下げで新安値をつけており、これを受けて朝方はリスク回避ムードが強かった。実際日経平均は安く始まったが、売り一巡後は急速に戻り歩調となり、前場後半にはプラス圏に浮上。後場も高値圏で売り物をこなし、引け際に急速に水準を切り上げた。
半導体関連や自動車など、このところ欧米の景気後退懸念から売られていた銘柄を中心に買いが活発になった。海運株の上昇も目立ち、日経平均は大引け前にかけて強含んだ。一方、直近まで相対的に底堅かった食料品の一角などには売りが広がった。
一時2万5600円台まで下げたところから2万6200円台で終えており、ローソク足では実体の長い陽線を形成した。
市場からは「朝方の急激な切り返しは、指数一段安で中・長期的な資金が入り、買い戻しを誘った可能性がある。ただ、週末の米9月雇用統計など米経済指標の発表を控えており、このまま戻り相場に進むかは不透明だ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、前週末比11.64ポイント(0.63%)高の1847.58で終えた。