
きょうの日経平均株価は狭いレンジでのもみ合いとなった。前日の欧州株市場が全面安商状となり、米国株市場でもNYダウが一時700ドルあまりの下げを見せるなど波乱含みの動きを続けており、朝方はリスク回避ムードにあったが、先物主導で断続的な買いが入り全体相場を支えた。11日に行われた米国とウクライナの政府高官による会談で、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたことが報じられ、東京株式市場でもこれを好感する形となった。外国為替市場ではドルが買い戻され、一時1ドル=148円台に下落した。ドル高・円安方向に振れたことも市場センチメントの改善につながっている。
海外短期筋などが株価指数先物に断続的に買いを入れたとみられ、日経平均は先物主導で上昇した。
ただ、日経平均の上値は重かった。トランプ米政権が掲げる関税政策の不透明感の高まりや日銀の追加利上げ観測を背景にリスク回避目的の売りも出やすかった。前日終値を挟んで一進一退の展開が続くなど、方向感に乏しい1日だった。
防衛関連株が買い直されたが、一方で半導体関連の主力株が冴えず全体相場の足を引っ張った。
米国とウクライナの両政府は11日、ロシアによるウクライナ侵略に関し、米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたと発表した。米国とウクライナを巡っては、2月28日に開かれた両国の首脳会談で首脳らが激しい口論となり決裂するなど懸念が強まっていただけに、地政学リスクが和らいだとの見方は株買いにつながった。
ただ、積極的な上値追いの動きは限られた。前日の米株式市場で主要3指数がそろって半年ぶりの安値をつけるなど軟調だった流れを受け、売りも出やすかった。トランプ米政権は米東部時間12日午前0時1分(日本時間午後1時1分)、すべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税をかけ、日本も対象となった。米関税政策を巡る方針は二転三転しており、米国が4月2日に自動車関税や相互関税の全容を公表するまでは、中長期志向の投資家は本格的な買いに動けないとの見方も聞かれた。
春季労使交渉(春闘)の集中回答日を12日に迎え、賃上げ機運の高まりが日銀の追加利上げを後押しするとの見方も買いを手控える要因になった。日銀の植田和男総裁は12日午前に出席した衆院財務金融委員会で、上昇が続く長期金利について「市場の見方と私どもの見方に大きな齟齬(そご)はない」と語り、金利上昇を強くけん制しなかったとの受け止めも広がった。
トランプ米政権は4月2日に自動車関税や相互関税の全容を公表すると見通しだ。自動車関税は日本企業への影響が大きいとみられ、関税政策の行方を見極めたいとのムードも強く、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながらなかった。
地政学リスクの後退もロシアの姿勢次第で大きく変わるだけに、手放しで喜べる状況にはない。このため、目先は関税関連報道やウクライナを巡る米ロの動向報道などを確認しながらの展開が続きそうで、振れ幅の大きい展開が続くことになりそうだ。