きょうは日経平均が朝方は高く始まった。前日までの3営業日で合計1000円以上も水準を切り下げていたことで、目先リバウンド狙いの買いが先行したが、朝方の上昇一巡後は売りが優勢となり、下値を探る展開となった。
中東情勢の不透明感や高止まりする米金利動向への警戒感からリスク回避目的の売りが止まらず、一時は400円以上も下落する場面があった。しかし、前場後半を境に日経平均は下げ渋る形に。後場寄りに一段安で始まったものの、その後は再び戻り足となり、プラス圏に浮上。3万1000円台を回復すると上値も重く、結局60円あまりの上昇で取引を終えた。期限付き所得減税など政府の経済対策の内容が伝わったことで、小売関連株の一角に買いが向かった。また、鉄鋼株の一角も買われ、全体株価の下支え効果を発揮した。
きょうの取引では足元で下げが目立っていたファストリなどの値がさ株に自律反発を見込んだ買いが入った。日本時間24日の取引でダウ工業株30種平均先物の「Eミニ・ダウ先物」が堅調に推移したのも支えだった。
政府が11月上旬にもまとめる経済対策で「所得税を定額で4万円減税し、住民税が課税されない低所得者世帯に7万円を給付する案が浮上している」と日本経済新聞電子版が報じた。市場では「国内消費にとって一定の支えになるとの思惑から、小売株などへの買いにつながった可能性がある」との見方もあった。
日経平均は大きく下落し、下げ幅が400円を超える場面もあった。前日の米長期金利は低下したが依然、4.8%台と高水準にある。米金利の高止まりを通じた消費減速などが、米景気後退(リセッション)につながるとの懸念から世界の景気敏感株とされる日本株には積極的な買いは見送られた。
前日に決算を発表したニデック株の急落も投資家心理を冷やした。23日に発表した23年4〜9月期の連結純利益(国際会計基準)は市場予想に届かなかった。ニデック株は10.5%安で終えた。製造業への先行き不透明感から様子見姿勢も強まったとの声が聞かれた。荒い値動きで日中値幅(高値と安値の差)は658円59銭と、今年4番目の大きさだった。
さて、日経平均が極めて長い下ヒゲを引き、10月4日安値(3万487円)に対する小勢2番底形成というような流れになった。米国で金利が高止まりしている状況から実需はなかなか入ってこないが、下値200日移動平均線(3万235円)も見えてきており、今がボトムゾーンにある認識は広がりつつある。トピックスは安値割れしたがプラスで終えおりこちらも2番底の可能性があるだろう。