朝方売り優勢で始まった後は3万3000円台近辺の往来となったが、後場に入ると先物主導で一段安に売り込まれた。世界景気の減速懸念やFRBの利上げ継続に対する警戒感がくすぶるなか、前日の欧米株市場が軟調に推移したことで、その流れを引き継ぐ形となった。今週末と来週明けに予想されるETF分配金捻出のための売りも警戒されている。
また、大株主の一斉売却が発表されたソシオネクスがウリ気配で推移し、これが半導体関連株全般に波及したことで日経平均の下げを助長した。今週末に発表が予定される6月の米雇用統計を前に積極的に買い向かう動きは見られなかった。
6日はアジア株も総じて軟調で、日経平均の重荷となった。日経平均の下げ幅は午後に一時700円を超えた。
7月上旬は日本株の上場投資信託(ETF)の分配金捻出に向けた売りが出る見込みで、需給悪化への警戒も株安に拍車をかけた。米利上げ継続観測の強まりを背景に、5日の米株式市場で半導体株が下落した流れを受け、東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連株がさえなかった。
半導体設計のソシオネクスに売りが殺到し、投資家心理の冷え込みにつながった。5日に富士通などの大株主が保有するソシオネクス株を海外市場で売り出すと発表し、需給悪化懸念が広がった。
7日は6月の米雇用統計の発表を控える。市場では「雇用統計の結果次第では米株が調整局面に入る可能性があり、日本株も連れ安しそうだ。日経平均は急ピッチで上昇してきただけに、3万2000円近辺まで下げるシナリオも考えられる」との声が出ていた。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、28.95ポイント(1.26%)安の2277.08で終えた。JPXプライム150指数は15.27ポイント(1.45%)安の1039.69だった。
日経平均は下値のめどとみられる25日線水準を下回ったため、調整一巡感が意識されやすいところであるが、7日と10日に予定されるETFの分配金捻出の売りは約1兆円超に達するとみられており、目先的には需給悪化から軟調な展開が続くことが想定されよう。また、米国では週末に雇用統計の発表を控えているため、様子見姿勢に向かわせやすいだろう。