前日は欧州株市場が全面高だったものの、米国株市場では金利上昇を背景にハイテク株などに売りが出て主要株価指数が揃って下落。これを受けて東京株式市場でも朝方は気迷いムードのなかでスタートした。しかし、その後は駆け込みでの配当権利取り狙いの買いが入ったほか、後場終盤には配当再投資に絡む先物買いが全体相場を押し上げる格好となった。日経平均寄与度の高い一部の値がさ株の上昇も指数押し上げに寄与。取引時間中に外国為替市場でドル高・円安が進んだことも追い風となった。売買代金も3兆3000億円台と大きく膨らみ、3月17日以来となる高水準だった。
前日の米株式市場で中国電子商取引(EC)大手アリババ集団の預託証券(ADR)が急伸。同社に出資するソフトバンクグループ(SBG)に運用収益改善を期待した買いが入った。SBGは1銘柄で日経平均を60円ほど押し上げた。
午後に入ると、日経平均は上げ幅を拡大した。外国為替市場で円安・ドル高が進み、輸出関連株を中心に追い風になった。大引けにかけては株価指数に連動して運用する投資家の配当再投資に絡んだ株価指数先物買いが観測され、相場上昇に拍車をかけた。
物色に関しては海運、鉄鋼、商社など、配当利回りが高めのバリュー業種がどういった動きを見せるかを注視しておきたい。配当分を落としたところで改めて買われるのか、それとも資金が逃げてしまうのか。きょうの海運株の下げもそこまで大きくはならなかった。これらに配当落ちを待っていたような買いが入るのであれば、指数が早々に落ち分を埋めに行く展開も期待できるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、28.81ポイント(1.46%)高の1995.48で終えた。