米国の追加経済対策が発表されたことで、目先の好材料は出尽くしたとの見方による利益確定売りが優勢だった。日経平均が足元で急上昇し、前日には1990年8月以来およそ30年5カ月ぶりの高値をつけており、短期的な過熱感が意識されて取引終了にかけて短期筋の売りがかさんだ。
米国でバイデン次期大統領による追加経済対策が発表され、これまで経済対策を期待して上昇してきた株式相場は、いったん材料が出尽くした状態になった。
バイデン米次期大統領は日本時間15日、1.9兆ドル規模の追加経済対策の概要を公表した。
ただ、事前に2兆ドル規模との見方が出るなど市場の織り込みが進んでおり、発表内容が想定の範囲内との見方が強まった。日経平均は前日までの5営業日で1600円超上昇しており、短期筋を中心とした利益確定売りが出た。日本時間同日の米ダウ先物が軟調に推移したこともあり、下げ幅は一時200円を超えた。
市場からは「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が14日、金融緩和の長期化を示唆したことは支えとなったが、足元の相場の過熱感が強かった」との見方があった。
JPX日経インデックス400は7日ぶりに反落し、終値は前日比144.16ポイント安の1万6857.22だった。東証株価指数(TOPIX)は7日ぶりに反落し、16.67ポイント安の1856.61で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8376億円。売買高は12億4926万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1652と、全体の75%を占めた。値上がりは486、変わらずは51だった。