終値で節目の3万6000円を割り込み、およそ半年ぶりの安値を付けた。下落率は2020年3月13日以来の大きさ。下げ幅はブラックマンデー翌日の1987年10月20日(3836円安、14.9%安)以来およそ36年10カ月ぶりの大きさで、史上2番目の下げ幅となった。
前日の米株式市場は、米7月ISM製造業景況指数が予想を下回り、景気後退懸念が膨らんだことを受け、NYダウは494ドル安と急落。ナスダック指数も大幅安となった。特にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7%超下落した。この流れのなか、東京株式市場には売りが膨らみ、寄り付き後に3万7000円台を割り込むと下げは加速し下落幅は2000円を超えた。前引けにかけてやや値を戻す場面もあったが、後場に入り再び売り直され3万6000円台を割り込んだ。今晩の米7月雇用統計の発表を控え警戒感も膨らんだ。東証プライム市場の値上がり銘柄数は全体の約1%にとどまる全面安で、下落幅は1987年10月20日(3836円安)に次ぐ歴代2位だった。半導体関連株が急落し、銀行や自動車株などが軒並み安に売られた。
東証プライムの値下がり銘柄数は1626と全体の98%を占め、全面安の展開だった。値上がりは14、横ばいは5だった。前日の米株式相場の大幅下落や足元の外国為替市場での円高進行に伴い、投資家心理が悪化して幅広い銘柄に売りが出た。前日の米市場ではハイテク株の下落が目立ったことから、値がさの東エレクなど半導体関連に売りが波及し、日経平均を下押しした。海外短期筋とみられる株価指数先物への売りも膨らんだ。
米国では市場予想に届かない米経済指標が相次ぎ、米景気が想定以上に減速しているとの見方が日本株の重荷となった。外国為替市場では円相場が1ドル=148円台まで上昇する場面があり、円高進行への警戒もトヨタやホンダなど輸出関連株の重荷となった。市場では売りが売りを呼ぶ展開となり、円高に歩調を合わせてヘッジファンドなどの短期筋が先物売りを出しているとの見方があった。
日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時、前日比8.95ポイント(41.01%)高い30.77を付けた。日経平均VIは20を上回ると、投資家が先行きの相場変動に警戒を強めているとされるが、この水準を大幅に上回っている。株価が将来的に下落すると考える市場参加者が増え、オプション市場ではプット(売る権利)の価格が上昇した。