前週末の米国株市場でNYダウが大幅続落となったものの、ナスダック総合指数が下げ止まる動きをみせたことで、不安心理がやや後退し買い優勢の展開となった。
日米波乱相場の引き金となった米10年債利回りは1.6%台に上昇した後、1.4%台まで水準を下げており、急速に進んだリスクオフの流れが修正された。ワクチン普及による経済活動正常化への期待と企業業績の回復を拠りどころに押し目買いの動きが活発化した。
東京株式市場でも通信や電気機器など幅広く買いが入った。
前週末に1202円安と大幅に下落したため、自律反発狙いの買いや値ごろ感に着目した押し目買いが入りやすかった。日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。国内企業の業績の上方修正などを背景に株価の先高観は崩れておらず、下値での投資家の買い意欲も衰えていなかった。
ただ、前週末の下落分は埋められなかった。3月中旬にも成立する見込みの米国の新型コロナウイルス対策の行方や、米長期金利の動向を見極めたいとの雰囲気もあった。前週の金利急騰やボラティリティー(変動率)の急上昇への警戒も残った。
JPX日経インデックス400も反発。終値は前週末比340.42ポイント高の1万7212.06だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、37.99ポイント高の1902.48で終えた。
市場関係者は「最近は月初や週初に相場が強くなる傾向があり、きょうも同様だった。ただ、腰の入った長期投資家の資金が入っているとは考えにくかった」と指摘。前週末の日経平均急落の余波で、米長期金利の先行きに対する警戒感はまだ強いとみていた。別の関係者は「買いは個人が主体で、商いが伸びない」と話していた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4773億円、売買高は12億5001万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1931と、全体の約9割を占めた。値下がりは229、変わらずは34銘柄だった。