前日のNYダウが下落したがナスダック指数は上昇した。この流れを受け、東京株式市場でも半導体などハイテク株が高く、全体相場を押し上げた。
政府の経済対策の具体案が次々と伝わる中、政策への期待感から幅広い銘柄に買いが入った。政府が19日に決める経済対策をめぐって介護・保育分野の処遇改善や中小企業支援策などが盛り込まれると伝わった。新型コロナウイルスの感染対策では、イベント参加人数の上限撤廃の検討なども伝わる。米国株に対する出遅れの修正が進むなかで、日本の政策期待が重なって幅広い銘柄に断続的な買いが入った。
米中両国は来週にもオンライン形式での首脳会談を予定する。両国の関係改善に向けた前向きな動きが出るなかで、足元では中国の不動産業界の債務問題への警戒感がいったん和らいでいる。外部環境の好転からも買い安心感が広がり、売り方の買い戻しにつながったとの見方があった。米株価指数先物が日本時間12日の取引で堅調に推移したことも、日本株の支援材料となった。
市場からは「10日にかけて先物主導で売られ、買い戻しもあって切り返してはいるが、日経平均は前週末水準とほぼ変わらない。2万9000円割れは遠のいたが、短期筋中心の売買であり、このまま戻りを試しに行くかは不透明だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、終値は前日比26.30ポイント高の2040.60で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆9426億円。売買高は13億2145万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1697と、全体の8割弱を占めた。値下がりは421、変わらずは64だった。