先週末の米国株は大幅高となっており、これを受けて寄り付きから200円を超える上昇で節目の2万9000円を上回った。しかし、開始直後にきょうの高値をつけると急失速。早い時間にマイナス圏に沈んだ。中国恒大集団とその傘下企業について、株式取引の一時停止が伝わったことが警戒売りを誘い、日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。
経営不安が高まっている中国不動産大手の中国恒大集団について、香港取引所は4日、株式の売買を停止すると発表した。理由は明らかにされず、市場に疑心暗鬼が広がって香港ハンセン指数は急落。東京市場にも中国経済の先行き不安が高まって株売りが波及した。
米国の債務上限問題についても解決のめどが立っておらず「18日にも米国債が債務不履行(デフォルト)に陥りかねないとの見方があるなか、短期的にマーケットを揺さぶる材料になる」との指摘があった。
自民党の岸田文雄総裁は4日午後、首相に選出された。新内閣が発足するが、構造改革への期待が後退する顔ぶれで好材料視する市場関係者は少ない。ただ、経済活動の正常化期待が根強いなか、リオープン柄には物色が目立った。
市場からは「中国恒大問題はどこかで落ち着きと思うが、依然リスクとして残ったままで、当面は不安定な動きが予想れる。日経平均は移動平均線を次々に下抜け、次は52週線(2万8063円39銭)が意識される段階だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は6日続落。東証株価指数(TOPIX)も6日続落し、前週末比12.39ポイント安の1973.92で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆2588億円。売買高は13億2433万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1229、値上がりは872、変わらずは82だった。