きょうの東京株式市場はリスクを取る動きが優勢となり、前場は日経平均が400円超の上昇をみせる場面もあった。前日の米国株市場ではハイテク株中心に買いが顕著で、主要株価指数が揃って大幅高、特にナスダック総合株価指数の上昇が際立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も急伸しており、東京株式市場でも朝方は半導体主力株が軒並み買われ全体相場を押し上げた。
しかし、2万7000円台前半では戻り売り圧力が強く、買い一巡後は上値の重さが意識され、前場後半を境に急速に上げ幅を縮小。インフレ警戒感から、FRBをはじめ世界の中央銀行が金融引き締め方向に政策の舵を切るなか、ハイテク値がさ株などの上値を積極的に買う動きは限られた。
主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)がともに急伸した。東京株式市場もその流れを引き継いで東エレクやアドテストなど半導体関連を中心としたハイテク株に買いが入り、相場を支えた。月初で機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う買いが入ったのも支援材料となった。
しかし買いが一巡したあとは短期筋を中心とした売りが上値を抑え、後場には前日終値(2万7001円)付近まで伸び悩む場面があった。節目の2万7000円を上回る水準で目先の達成感から利益確定を目的とした売りが出やすかったほか、1月27日の取引時間中に付けた安値(2万6044円)から1000円超戻した水準とあって戻り待ちの売りも出た。
市場では「足元のインフレを踏まえると米金融政策への警戒は続き、ウクライナ問題もくすぶるなど不安材料は多く、積極的に上値を追う雰囲気は乏しい」との指摘があった。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に3日続伸し、前日比0.13ポイント高の1896.06で終えた。JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに小幅反落した。
東証1部の売買代金は概算で3兆4082億円。売買高は13億7398万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は914、値下がりは1193、変わらずは77だった。