きょうのは様子見ムードの強い地合いで狭いゾーンでのもみ合いに終始した。前日の米国株市場はNYダウが午前中は下値を探る展開となったが午後の取引で下げ渋り、大引けはわずかながらプラス圏で着地、連日での史上最高値更新となった。ただ、米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え総じて模様眺めムードが強く、きょうの東京株式市場もそれを引き継ぐ展開となった。
朝方はドル安・円高方向に振れていた為替市場も、取引時間中に漸次円安方向に押し戻される形となり、主力輸出株などの買い戻しにつながった。月末を控え年金資金のリバランスの買いなども観測され、結局日経平均は上昇に転じて取引を終えた。TOPIXもプラス圏で引けたが、値上がり銘柄数は600にとどまり値下がり銘柄数を大幅に下回っている。
アドテストやトヨタなど主力株の一角に買いが入り、指数を押し上げた。日本時間29日早朝には米半導体大手エヌビディアの2024年5〜7月期決算の発表を控える。投資家の様子見姿勢は強く、前日終値近辺で一進一退となる時間帯も長かった。東証プライム市場の売買代金は今年3番目の低水準だった。
日経平均は取引終了にかけて強含んだ。東証株価指数(TOPIX)は前日比11.32ポイント(0.42%)高の2692.12とこの日の高値で終えた。前日に続き、午後から指数が強含む展開だった。時価総額上位の銘柄で構成する「TOPIXコア30」の上昇率が相対的に目立つなど、市場では月末を控え、国内年金から保有資産に占める国内株式のウエートを高めるための買いが入っているとの観測が聞かれた。
日経平均は下げる場面もあった。東証プライムの値下がり銘柄数は989と全体の6割を占めた。値上がりは600、横ばいは57にとどまった。ここ1年以上はエヌビディア株の動きが半導体関連を中心に日本株に大きく影響してきた。エヌビディアの決算通過後の日本株の反応が読み切れず、相場が大きく動く可能性も警戒され、持ち高調整の売りが出やすかった。
さて、東京株式市場は目立った材料の見当たらないなか取引の大半は膠着的な相場となった。日経平均が3万8000円台に乗せてからのここ1~2週間は上値、下値ともに狭い範囲で推移し売り買いが拮抗している。米国の利下げがあるため下げればすぐに買われるが、上値に関しては材料が欲しいところで、エヌビディアの決算はちょうど良いタイミングで何かしらの刺激を与えそうな雰囲気だ。