前日の米国株が持ち直し、東京市場でも運用リスクを避ける動きが和らいだ。
トランプ米大統領と野党の民主党がハリケーン被害の復興支援とともに債務上限の引き上げで合意したと伝わり、米財政問題への懸念が後退した。
外国為替市場で円相場が1ドル=109円台の円安・ドル高にふれ、自動車など輸出関連株に見直し買いが入った。前日まで下落した中小型株には買いが入り指数を押し上げた。
一方、今週9日に建国記念日を迎える北朝鮮の動向が引き続き警戒されている。
あすにメジャーSQを控えていることもあって、後場に入ると手仕舞い売りに日経平均は上げ幅を縮小、大引けは1万9400円台に届かなかった。
市場では、「北朝鮮を巡る地政学上のリスクに対し、徐々に神経質になっている」との声があった。円高による業績下振れ懸念から、上値を追う買いは入りにくかった。先高観が後退しつつあるなか、個人投資家からも見切り売りが出たという。
JPX日経インデックス400は続伸し、前日比48.04ポイント高の1万4161.14だった。
東証株価指数(TOPIX)も続伸し、6.24ポイント高の1598.24だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆448億円。売買高は15億2648万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1432、値下がりは485、変わらずは107銘柄だった。
業種別では33業種中28業種が上昇した。値上がりは、パルプ・紙、機械、金属製品と続いた。値下がりは、保険、海運、情報と続いた。
個別では、2〜7月期の増益決算と新工場建設を発表した三井ハイテクは大幅高となった。介護保険制度の改定への期待で、ニチイ学館が上げた。スズキやトヨタなど自動車株は上昇した。
三井ハイテックや安永がEV関連として活況でストップ高、オリジン電気は、防衛関連の一角として売買高急増のなかストップ高となった。その他、コマツと日立建機が年初来高値を更新し、仮想通貨取引所運営大手に出資したと伝わったジャフコの上げも目立った。
半面、任天堂が冴えない。KDDIやソフトバンクは下落した。8月の既存店売上高が振るわなかった鳥貴族が下げた。
昨日、新ゲームアプリの配信を好感され買いが続いていたボルテージが急落、ダブル・スコープ、ペプチドリームも売られた。
東証2部株価指数は前日比30.13ポイント高の6551.64ポイントと続伸した。
値上がり銘柄数は255、値下がり銘柄数は180となった。
個別では、シャープや朝日インテックが買われ、日本電通、櫻護謨、マルゼン、eBASEなど12銘柄が年初来高値を更新した。
その他、黒田精工、コメ兵、フォーシーズが買われた。
半面、郷鉄工所、さいか屋、価値開発、インタートレードが年初来安値を更新した。
理研コランダム、黒谷、富士通コンポーネントが下げた。