終値としては2016年11月11日以来、3年4カ月ぶりの安値で、下げ幅は2016年6月24日以来、約3年9カ月ぶりの大きさとなった。
前日のNYダウが2352ドル安と過去最大の下げ幅となったことが嫌気され、この日の東京市場は寄り付きから大量の売り物を浴び、日経平均株価は急落した。前場には、一時1万6690円まで値を下げる場面があった。
後場に入りNYダウ先物の上昇などを受け、一時下げ幅は約400円まで縮小したが、引けにかけて再び売りが膨らみ、結局1100円を超す下落となり取引を終えた。
新型コロナの影響で世界各地に渡航制限が出るなど、大規模なスポーツイベントの中止・延期が相次ぐなど、新型コロナは実体経済に大きな影響を及ぼしている。世界景気の悪化は長期化すると見た中長期で運用する機関投資家が売りに動くと日経平均は一気に下げ幅を拡大した。
前引け後は財務省と金融庁、日銀が3者会合を開き、財務省幹部が「市場動向を注視し、必要な場合には適切に対応する」と表明。また、日銀が臨時の資金供給を実施した。さらに、米国株価指数先物が時間外取引で上昇に転じたことも決め手となり、一時は1万8000円台を回復した。
日米欧を中心とした足元の急落は「短期的に下げすぎ」という指摘もある。日経平均が午後に400円安まで下げ渋ったのは「米株価指数先物が時間外取引で上げ幅を拡大したのに慌てた投資家の買い戻しが先物で増えたようだ」との声がある。
日経平均の1週間の下落幅は3318円と過去最大だった。週間の下落率は約16%に達し、リーマン・ショック直後の2008年10月6〜10日の週以来の大きさだった。
JPX日経インデックス400は大幅に3日続落した。終値は前日比602.62ポイント安の1万1370.71だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落し、66.18ポイント安の1261.70と、16年7月以来約3年8カ月ぶりの安値で終えた。
市場関係者は「株式相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から離れた水準で推移しており、値動きが荒くなりやすくなっている」と指摘していた。
東証1部の売買代金は概算で4兆8923億円と、18年2月以来の多さだった。売買高は34億5938万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2099と、全体の約97%を占めた。値上がりは64、変わらずは3銘柄だった。