きょうの東京株式市場はリスクを回避する売りに押される展開となった。
前週末の米国株高も足もと外国為替市場で1ドル=110円台半ばと円高含みに推移、中国・上海株市場が冴えない動きを続けたこともあって、買い意欲は限定的だった。
米半導体株が下げたのを手掛かりに、東エレクやSUMCOなど日本の半導体関連銘柄が売られたのも悪材料視され、日経平均の下げ幅は100円を超える場面があった。
米中貿易摩擦問題は次官級の協議の開催を控え、投資家の不安心理は後退しているが、この結果を見極めたいとの思惑も強く、中国景気減速への懸念がくすぶるなか、機関投資家のポジション調整の売りが続いている。さみだれ的な株価指数先物への売りも地合いを悪くした。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前週末比36.66ポイント安の1万5001.81だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、5.38ポイント安の1692.15で終えた。
業種別には非鉄や、海運株が売られ、不動産や銀行などがしっかりだったものの、小売セクターが売られるなど内需株もまだら模様。全体の7割強の銘柄が下落、東証1部の売買代金は、1兆6766億円、4月2日以来の低水準で今年2番目の少なさだった。
週内に米中の貿易交渉やカンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の開催を控え、様子見姿勢が強かった。
売買高は9億8322万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1550、値上がりは482、変わらずは71だった。
個別では、伊藤忠によるTOB(株式公開買い付け)が完了したユニー・ファミリーマートホールディングスが急落、1銘柄で日経平均を48円押し下げた。三井金属や住友鉱、第一三共の下げが目立った。リンクアンドモチベーション、あいホールディングスなども大幅安となった。東京エレクトロン、SUMCOなども冴えない。システナ、エン・ジャパンが大きく下げたほか、ネクステージ、レノバ、TATERUなども下落した。
半面、任天堂が断トツの売買代金をこなして1200円高に買われたほか、ファーストリテイリングも上昇した。資生堂も堅調。太陽誘電は上昇、LINEが買われた
グローバルグループ、オープンハウスが値を飛ばし、エムアップ、セレスも物色人気を集めた。パイオニアが買いを集め、ネオス、東京個別指導学院も高い。
東証2部株価指数は前週末比52.85ポイント安の7056.38ポイントと反落した。
出来高6411万株。値上がり銘柄数は175、値下がり銘柄数は246となった。
個別では、田辺工業、安川情報システム、アスモ、旭松食品、セントラル総合開発など26銘柄が年初来安値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、省電舎ホールディングス、三社電機製作所、Casa、SECカーボンが売られた。
一方、明治機械、ショーエイコーポレーションがストップ高。さくらケーシーエス、MCJ、プレミアグループは年初来高値を更新。ピクセラ、野崎印刷紙業、テクノスマート、キョウデン、リミックスポイントが買われた。