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【大引け概況】

5日の日経平均株価は4営業日ぶりに反落し、前日比474円16銭(1.68%)安の2万7813円26銭と、心理的な節目の2万8000円を割り込んだ。

 
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きょうの東京株式市場はリスク回避の動きが一気に強まり全面安商状となった。下げ幅は一時約500円に達した。前日の米国株市場では経済指標の発表を受け景気減速懸念が改めて高まり、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落した。これに追随する形で主力株を中心に広範囲に売りが及んだ。個人投資家の見切り売りを誘発したほか、先物主導のインデックス売りも出て日経平均の下げを助長した。
 
米労働省が4日発表した2月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を下回り、米景気の減速懸念が強まった。米株式市場の主要な株価指数の下落を受け、東京株式市場も朝から売りが先行した。円相場が前日の1ドル=132円台から131円台に上昇したのも投資家心理に響いた。円高が進んだことも輸出セクター中心に買い手控え材料となっている。
 
国内の金融機関が含み益のある保有株を売却する期初の「益出し」も相場の重荷となったようだ。4日に日経平均は約1カ月ぶりの高値をつけていた。「チャート上で2万8000円を超えた水準はここ1年ほどの相場の上限となっており、投資家は利益確定目的の売りを出しやすかった」との声が聞かれた。
 
日経平均の2万8000円台は過去にもたびたび戻り売りに遮られてきただけにここでの上げ一服は仕方のないところであろう。国内の金融機関が含み益のある保有株を売却する期初の益出しも重なり下げに拍車がかかったようである。目先は下値25日移動平均線(2万7741円)がサポートしそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反落し、38.92ポイント(1.92%)安の1983.84で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆8161億円。売買高は11億6563万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1763と、全体の96%を占めた。値上がりは57、変わらずは15銘柄だった。


 


 
業種別株価指数(全33業種)では鉄鋼、石油・石炭製品、卸売業の下落が目立った。上昇は海運業のみ。
 
個別では、日経平均への寄与度が高いファストリが下落。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクの下げが目立つほか、ファナックやトヨタ自動車も軟調。日本製鉄、第一三共、コマツも売られた。キーエンスが大きく下値を探り、任天堂、ソニーグループ、ファナックなども下落した。Appier Group、日本M&Aセンターホールディングスが急落、アダストリア、ネクステージなども大きく水準を切り下げた。力の源ホールディングス、山九なども安い。
 
 半面、日本郵船、商船三井、川崎汽など海運株が高く、レーザーテックも頑強。オリンパスが堅調、パナソニック ホールディングスもプラス圏で引けた。ダイワボウホールディングスが値上がり率トップに買われ、東洋建設は商いを伴い大幅高。岩谷産業が値を上げ、デクセリアルズも物色人気となった。