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【大引け概況】
10日の日経平均株価は3日続伸し、前週末比160円52銭高の2万9518円34銭で終えた。

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 4月の雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったが、金融緩和の長期化につながると受け止められた。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで19円高からスタートすると、前場中ごろには一時2万9685円41銭(前週末比327円59銭高)まで上昇。4月19日以来3週ぶりの高値。
 
ただ、今週は国内で企業決算の発表がピークを迎えるほか、引き続き海外経済指標の発表も多く、買いが一巡すると伸び悩む展開となった。
 
根強い経済の正常化期待で鉄鋼など景気敏感株の一角が買われて相場を支えた。PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)バリュー指数が前週末比1.12%上昇したのに対してグロース指数は0.86%高と、バリュー株優位の展開となった。
 
一方、国内では新型コロナウイルスの感染拡大が深刻で、午後に全国の重症者が過去最多を更新したと伝わると日経平均は上げ幅を縮小した。海運など午前の取引後に決算を発表した銘柄が急落したことも重荷になり、午後は上値が重かった。
 
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前週末比166.08ポイント高の1万7599.28だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、19.22ポイント高の1952.27で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆4641億円。売買高は11億2670万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1482と、全体の7割弱を占めた。値下がりは614、変わらずは95銘柄だった。
 

業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、石油・石炭製品、非鉄金属、パルプ・紙などが上昇した。下落は海運業、小売業など。
 
個別では、任天堂とソニーGが3%前後上昇したほか、鉄鋼大手の日本製鉄が5%超、JFEが7%超の大幅上昇となった。日本製鉄は7日の取引時間中、JFEは同日引け後に決算発表しており、その内容を好感した買いが入った。ENEOS、出光興産が買われた。ソフトバンクグループも堅調だった。
 
半面、売買代金首位のファーストリテイリングが4000円超の大幅安、レーザーテック、SUMCOなど半導体関連も冴えない。川崎汽、日本郵船、商船三井など海運株も利食われた。メディカルシステムネットワーク、大幸薬品、スクロールなどが大幅安、ディー・エヌ・エーの下げも目立った。
 
 
東証2部株価指数は前週末比14.65ポイント高の7533.97ポイントと4日続伸。
出来高1億8802万株。値上がり銘柄数は227、値下がり銘柄数は185となった。
 
個別ではオーナンバがストップ高。三井金属エンジニアリング、北海道コカ・コーラボトリング、オーベクス、アートスパークホールディングス、エス・ディー・エス バイオテックなど23銘柄は年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、Jトラスト、TONE、岡山県貨物運送、SECカーボンが買われた。
 
一方、ミズホメディーがストップ安。ソケッツ、ニッセイ、タクミナ、ヨネックス、京福電気鉄道は年初来安値を更新。スガイ化学工業、東京衡機、セントラル総合開発、千代田化工建設、ヒラキが売られた。