
米議会上院が米国時間9日、つなぎ予算案を採決するための動議を可決した。長期間にわたる政府機関の閉鎖が終結に向かうとの期待感が高まるなか、米株価指数先物が時間外取引で上昇した。投資家のリスク許容度が上向くなかで、外国為替市場でドル円相場は一時1ドル=154円台に乗せるなどドル高・円安が進行。東京市場では株価指数先物への買いが入り、日経平均を押し上げた。
オリンパスやメルカリなど決算発表を終えた銘柄の一角が買われたことも支援材料となった。日経平均は後場にジリ高歩調となり、上げ幅は一時700円近くに迫った。半導体関連株への買い意欲が顕在化した半面、円安のなかでも自動車株に買い向かう姿勢は限られ、ゲームやサービスセクターの一角が逆行安となった。
日経平均は伸び悩む場面もあった。5万1000円の水準が近づく場面では個人などによる利益確定や戻り待ちの売りが出た。生損保による国内機関投資家による持ち高調整の売りも上値を抑えた。
また、主要企業の4-9月期決算発表が佳境となっており、好決算・好業績銘柄への個別物色の様相が強まった。テクニカル面では、目先25日線レベルとの攻防になってくるとみられるが、同水準が今回も下値支持線となるのかを見極める必要性は高い。
さて、東京株式市場は日経平均もトピックスも短期的な値幅調整は先週で終えたようで、徐々に押し目買いの水準が切り上がりつつある。チャート上では下値25日移動平均線(4万9270円)がサポート線となっている。これは4月下旬から半年以続く今の相場の本命線で、今後も同線上をキープし続けるかが今の需給相場の分かれ道となろう。状況的に現在は押し目買い有利が続いている。