26日の日経平均株価は大幅に反落し、前日比747円66銭安の2万8751円62銭と心理的節目の2万9000円を下回り、約1カ月ぶりの安値で終えた。
下げ幅は6月21日以来およそ5カ月ぶりで、今年4番目の大きさだった。取引時間中には900円安に迫る場面もあった。
南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたとの報道が嫌気され、リスクオフの動きが強まった。この変異株は免疫反応回避などの特徴を持ち、深刻な懸念をもたらす可能性があるとみられ、英政府は南アフリカを含めアフリカ6カ国の航空機乗り入れの一時禁止を発表したことも警戒された。
これを受け、先物を中心に仕掛け売りが膨らんだとの見方もあった。コロナ変異株に対する警戒感が高まり、33業種全てが下落する全面安となった。
前日の米株式市場が休場で、26日も時短取引となることから比較的流動性の高い東京市場にリスク回避の売りが集まったとの見方も聞かれた。
市場では「南ア発の変異ウイルスはこれまでに比べて異質で感染力が強いとも伝わる。もし現状のワクチンや治療薬が効かないなどの続報が出た場合は週明け以降の相場がもう一段下げる可能性があり、持ち高調整の売りのほか、損失覚悟で売りを出している投資家もいるようだ」(JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト)との指摘があった。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前日比362.57ポイント安の1万7917.41だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、40.71ポイント安の1984.98と、約1カ月半ぶりの安値で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆9993億円と、4日以来3週間ぶりの大きさだった。売買高は13億290万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1992と、全体の9割を超えた。値上がりは152、変わらずは39銘柄だった。
業種別株価指数は33業種全てが下落した。空運業、陸運業、不動産業の下落が目立った。