2018年12月3日以来およそ10カ月ぶりの高水準となり、令和に入り最高値を付けた。
前日の米国株市場でNYダウなど主要指数が上昇したことや外国為替市場で1ドル=108円台後半までドル高・円安が進んだことなどを受け、リスクオンの流れが強まった。先の米中協議で進展が見られたことを受け、両国間の貿易摩擦に対する警戒感が後退している。
輸出関連株に採算改善を意識した買いが入った。
日経平均の上げ幅は朝方に400円を超える場面があった。米株高を受け、海外ヘッジファンドなど短期筋が株価指数先物に買いを入れた。ファストリやファナックなどの値がさ株には裁定取引に絡む買いが入り、日経平均を押し上げた。「過熱感を意識して先物の売り持ち高を形成していた個人などは持ち高解消の買い戻しを迫られ、急速な相場上昇につながった」との声があった。
ただ、午後は伸び悩んだ。「円安進行が一服し、様子見気分が強まった」ためとみられる。また、日経平均が4日間で1000円近く上昇したため、利益確定売りに押される銘柄が目立った。
国内機関投資家を中心に利益確定目的の売りが出て上値を抑えた。一部報道で「米下院が香港人権・民主主義法案を可決したのに対し、中国が報復を示唆している」と伝わり、米中関係の先行き不透明感から散発的な売りを促した。
市場関係者は「これまで値下がりを見込んで売っていた投資家の買い戻しが目立った」(中堅証券)と指摘した。「海外勢の買い姿勢が強まった」との声もあった。
JPX日経インデックス400は4日続伸し、年初来高値を付けた。終値は前日比98.77ポイント高の1万4591.56だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、終値は11.31ポイント高の1631.51と年初来高値を更新した。
東証1部の売買代金は概算で2兆4997億円。売買高は14億2731株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1513と、全体の約70%を占めた。値下がりは561、変わらずは80だった。