米上院選では共和党が優勢となり、民主党が大統領と上下両院の全てで勝利する「トリプルブルー」が困難となり、ハイテク株や薬品株が買い戻された。東京株式市場にもこの流れが及び、日経平均が押し上げられた。
大統領選の投開票を通過したことで相場の予想変動率が低下し、投資家がリスクを取りやすくなった面もあった。
米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が優勢となる半面、上院選で共和党が多数派になる可能性が意識されている。IT大手の規制強化や薬価引き下げといった民主党の政策リスクの後退で、前日の米株式市場ではITやハイテク、ヘルスケア株が上昇した。東京株式市場でも半導体関連や医薬品株が買われ相場をけん引した。財政赤字が拡大するとの警戒感が和らいで米長期金利が大幅に低下し、成長期待の高いグロース株の割高感が目減りしたのも追い風だった。
一方で、大型財政政策への期待低下で、素材などの景気敏感株は軟調。米長期金利低下で金融株も値下がりした。大規模な財政出動の思惑が遠のいて米金利が切り下がるなか、鉄鋼や海運などの景気敏感株のほか、保険や銀行などの金融株の売りが優勢だった。
日経平均は年初来高値圏まで上昇し「割安感が薄れつつある」と高値警戒感を示す声も出ている。
もっとも大統領選の通過で、オプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前日比で10%超も低下した。相場の予想変動率が下がったことでリスク選好姿勢を強めた投資家の買いが入り、日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げた。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前日比203.26ポイント高の1万4875.78だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、22.69ポイント高の1649.94で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆7052億円。売買高は13億4474万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1543と、全体の71%だった。値下がりは574、変わらずは62銘柄だった。