
前日の米株式市場では、NYダウは主力ハイテク株などが買われ83ドル高と8日続伸した。為替相場も円安が進行したことが好感され、日経平均株価は上昇してスタート。
午前9時過ぎに1ドル=145円90銭台まで円安が進行するなか、自動車株や精密機器など輸出関連株が上昇。日経平均株価の上昇幅は一時500円を超え3万6970円台まで値を上げる場面があった。
しかし、心理的な節目である3万7000円ラインに接近すると利益確定売りが優勢となった。この日の早朝に日米の第2回関税交渉が開かれ、赤沢亮正経済財政・再生相は「為替や安全保障は議論にならなかった」と述べたが、同交渉を通過したことで市場に安心感が広がった。東京株式市場は、ゴールデンウィーク中で明日から4連休となるほか、今晩は米4月雇用統計が発表されることから、後場に入りやや様子見姿勢も強まった。前日の日銀金融政策決定会合を経て追加利上げ観測が後退した銀行株は下落した。
日本政府内で6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米関税交渉の大枠での合意をめざすシナリオも浮上しており、市場の関心が高かった第2回会合を波乱なく通過したとの受け止めは買い安心感につながった。中国商務省は2日、米国が関税交渉を求めて中国側に複数回接触してきたと明かし「評価を進めている」と報道官談話で表明した。米中貿易摩擦が緩和方向に向かうとの期待も株買いを後押しした。
テクニカル分析上では3月後半以降の急落相場でチャート上に空けた5つの「窓」のうち3つ目の窓まで埋めた。きょうの上昇で、3月31日の高値(3万6440円)と同28日の安値(3万6864円)との間にできた窓埋めを達成した格好だ。戻り相場では窓埋めが早ければ早いほど、売り方の買い戻しが活発化するため、想定以上の上昇になりやすい点も株高に弾みをつけた。
ただ、前日までの6日続伸で日経平均は2200円あまり上昇しており、買い一巡後は売りに押された。日本は明日からゴールデンウィークの大型連休に入るとあって、持ち高調整目的の売りも出やすく、節目の3万7000円付近では上値の重さが目立った。