朝方から買い一辺倒の展開となり、日経平均は450円以上の上昇をみせ2万1700円台に買われ、約2カ月ぶりの高値圏に浮上した。
米中首脳会談で、両国による通商協議の再開が決まり、新たな対中制裁関税の発動が回避されたことで米中貿易戦争の激化懸念がいったん後退、朝から買いが優勢となった。
特に、トランプ米大統領が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置を一部緩和するとしたことで、半導体関連株や電子部品株など、株価指数への寄与度が大きい値がさ株が大きく値を上げ、日経平均株価を押し上げた。為替が円安方向に振れたことも日本株には追い風になった。
取引開始前に日銀が発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業がプラス7と、前回調査のプラス12から悪化した。QUICKがまとめた市場予想の中央値であるプラス9を下回ったものの、株価への影響は限定的だった。
一方で、東証1部の売買代金はあまり伸びておらず、市場関係者からは「米中交渉決裂を警戒して売っていた投資家の買い戻しが中心」という指摘があった。
米中の通商問題は、交渉再開が決まっただけで具体的な解決策は示されておらず、ファーウェイ問題も「同社向けの出荷を拡大するために設備投資を増やす企業はまだないだろう」とされ、買いの持続性に懐疑的な市場関係者は少なくないのだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、前週末比33.71ポイント高の1584.85で終えた。JPX日経インデックス400も反発し、終値は291.65ポイント高の1万4115.31だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2028億円、売買高は12億244万株だった。値上がり銘柄数2010銘柄、値下がり108銘柄、変わらず30銘柄だった。