8日以来約半月ぶりの水準を回復した。
きょうの東京株式市場は、米中貿易摩擦懸念も織り込みリスクを取る動きが継続した。前日の欧米株が軟調だったほか取引時間中はアジア株市場も総じて弱い動きを見せていた。しかし、外国為替市場で1ドル=111円台40銭近辺へと円安方向に振れたことや、中国・上海株が午後になって急速に切り返したことなどが追い風となった。
海外ヘッジファンドなどの買いが優勢だった。米中貿易摩擦を巡る新たな悪材料が出ていないことから、個人の押し目買いもじわり広がった。
日本時間24日午前に終了した米中の事務レベルでの貿易協議では目立った成果に乏しかったものの、さらなる問題は伝わらなかった。交渉決裂を警戒して前日まで売りに回っていた参加者の買い戻しを呼んだ。日経平均先物への買いが現物株市場で裁定買いを誘い、ファストリやセコムなど値がさ株が上昇した。
日経平均は週間では331円高となり、4週ぶりに上昇した。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比89.53ポイント高の1万5119.38だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、10.98ポイント高の1709.20で終えた。
商いは低調で東証1部の売買代金は概算1兆7634億円と6日連続で2兆円を割り込んだ。2兆円割れの連続記録としては2017年8月21日〜29日の7日連続以来1年ぶり。
東証1部の売買高は9億8377万株。
東証1部の値上がり銘柄数は1497、値下がりは515、変わらずは92銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、パルプ・紙、サービス業、情報・通信業の上昇が目立った一方、鉄鋼、非鉄金属、空運業などが下落した。
個別では、ソフトバンクグループが売買代金トップで堅調、任天堂、ソニー、ファーストリテイリング、中部電なども上昇した。リクルートホールディングスが高く、小野薬や武田薬品工業、エーザイも買われた。オルトプラスはストップ高で買い物を残し、日本エム・ディ・エムも一時値幅制限いっぱいに買われた。TOKYO BASE、富士通ゼネラルなども値を飛ばした。
半面、スズキが軟調、コマツ、ファナックや日立建機も売りに押された。スズキやSUMCO、JFEが下げた。
アトラエが急落したほか、千代田化工建設も大きく値を下げた。しまむら、インフォマートが下落、日本冶金工業、大平洋金属なども下値を探る展開に。ペッパーフードサービス、ニコンも軟調だった。
東証2部株価指数は前日比52.68ポイント高の7104.53ポイントと反発した。
出来高9699万株。値上がり銘柄数は279、値下がり銘柄数は148となった。
個別では、アルメディオ、大興電子通信がストップ高。チャーム・ケア・コーポレーション、鈴与シンワートは年初来高値を更新。アライドテレシスホールディングス、パス、ジー・スリーホールディングス、天昇電気工業、野崎印刷紙業が買われた。
一方、エスビー食品、シノブフーズ、ダイナパック、ダイサン、ダイハツディーゼルなど18銘柄が年初来安値を更新。明治機械、ビート・ホールディングス・リミテッド、村上開明堂、エスティック、倉庫精練が売られた。