27日の米主要株価指数はそろって上昇したが、日本時間の朝方にトランプ米大統領が「香港人権・民主主義法案」に署名して同法が成立したと伝わると、中国による報復措置への警戒感が出て、日経平均株価は前日終値近辺で上下するはっきりしない動きになった。
前日まで4日続伸していたことで、利益確定売りも出やすかった。
中国外務省は28日、米国で同法が成立したことに対し「重大な内政干渉だ」との声明を発表した。中国・上海や香港などアジアの主要株価指数が軟調に推移したことも、投資家心理の重荷となった。もっとも、外国為替市場で円相場が1ドル=109円台半ばと円安・ドル高で推移したことが支えとなり、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
海外勢が本格的に取引に市場に戻るのは12月2日に米国市場の取引が再開された後となるため、「中国が貿易協議を停滞させる反応をするか見守りつつもみ合う状況が、来週初めまで続くかもしれない」という。
東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに反落し、終値は前日比2.92ポイント安の1708.06だった。JPX日経インデックス400も5営業日ぶりに反落し、終値は前日比19.74ポイント安の1万5269.56だった。
28日の米感謝祭の祝日の前後に休みをとる市場参加者が多く、商いは低調だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆5982億円と、10月21日(1兆5304億円)以来およそ1カ月ぶりの低水準となった。
売買高は9億2501万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1416と全体の66%を占め、値上がりは628、変わらずは108だった。