きょうの東京株式市場は小幅な値動きながら不安定な地合いに終始した。朝方はやや買いが先行し日経平均は小高く始まったが、その後すぐに値を消しマイナスゾーンに沈んだ。前日の欧米株が全面高となったものの、足もとの円高を嫌気する形で利益確定売りを誘う形になった。
しかし、その後はプラス圏とマイナス圏を行き来する展開となった。半導体関連や機械株の一角に物色の矛先が向いたものの、全体を押し上げる力には乏しく、一方で米長期金利低下などを背景にメガバンクや大手生保など金融株が安く、全体相場の足を引っ張った。日経平均は前日までの4営業日合計で1700円以上の上昇をみせていたこともあり、目先高値警戒感からの売りを誘導した。引け際に日経平均は安くなり、TOPIXもマイナス圏で引けたが、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗しており、わずかながら値上がりの方が多かった。
日経平均は前日に続き、取引時間中に心理的節目の3万8000円を上回る場面があったが、終値では維持できなかった。今年に入ってからの日経平均の価格帯別の売買高をみると3万8000〜3万9000円がもっとも膨らんでいる。個人投資家を中心に戻り待ちの売り圧力が強まる水準とみられている。
ハイテク株などに買いが入り、日経平均は上昇する場面もあった。24日発表の9月の米消費者信頼感指数が前月改定値から低下し、市場予想も下回った。FRBが次回11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で9月に続き通常の倍に当たる0.5%の利下げに動くとの観測が増えたのに伴い、米長期金利が低下(債券価格は上昇)し、ハイテク株買いを誘った。中国当局による追加の景気刺激策を受けてファナックなど中国関連とされる銘柄にも思惑買いが向かった。個別では24日に自社株取得枠の拡大を発表したトヨタが上昇した。