4日の米株式市場では、NYダウが345ドル安と大幅下落した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、米メディア主催の会合で、「現在の金融政策のスタンスは適切」と述べ、米長期金利上昇に対する抑制策を期待した市場の失望感を誘った。これを受けた、この日の東京株式市場も値を下げてスタート。前場は大幅安となり一時2万8300円台まで下落した。
ただ、後場に入ると急速に下げ幅を縮小した。TOPIXは上昇した。為替市場では1ドル=108円へ急速な円安が進行。今晩は米2月雇用統計の発表が予定されており、その結果が関心を集めている。
朝方から半導体関連を中心にグロース株への売りが先行した。米ナスダック100株価指数の先物が軟調に推移したことで投資家心理はいっそう冷え込んだ。指数への影響の大きい値がさ株がとりわけ大きく下げた。
東証マザーズ指数の大幅な下落を受け、「これまで値動きが軽かった銘柄を中心に個人投資家も売りを急いでいる」との声があった。ボラティリティー(変動率)の上昇も嫌気され、保有資産の価格変動リスクを減らすための売りが幅広い銘柄に出た。
ただ、午後には下げが急速に鈍った。日銀による上場投資信託(ETF)の購入が入るのではとの期待感が浮上。黒田東彦総裁がETF購入について「柔軟に弾力的にやる」などと発言したことも巻き込みながら売りは手控えられた。
日本時間5日夜発表の2月の米雇用統計を目前に控え、一方向に取引を傾けることのリスクも意識された。連日の大幅下げで押し目買いの好機と捉えた向きもあったようで、午後に値上がりに転じた銘柄も多かった。
一方、JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比94.37ポイント高の1万7128.94だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、11.44ポイント高の1896.18で終えた。いずれも午前は1%程度下げていた。
東証1部の売買代金は概算で3兆1752億円。売買高は14億3043万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は753と、全体の3割強にとどまった。値上がりは1352と約6割、変わらずは89銘柄だった。