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【大引け概況】
2019年度末の31日の日経平均株価は続落し、前日比167円96銭安の1万8917円01銭で終えた。
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前日の米国株市場でNYダウ690ドル高と大きく切り返したことを受け買いが先行、その後は売りを吸収して日経平均は前引け時点ではプラス圏で1万9000円台をキープして着地した。前場取引時間中に発表された3月の中国製造業および非製造業PMIが好調だったことも市場心理の改善につながった。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を警戒して上値は重く、後場に入ると値を消す展開に。都市封鎖などに対する警戒感も根強く、後場は一転して下値を探る展開となった。
 
新型コロナウイルスの感染拡大による国内の経済停滞が長期化するとの懸念が相場を下押しした。自動車や鉄鋼、銀行などの下げが目立った。中国の景況感改善を好感した買いの勢いは続かなかった。
 
国内機関投資家の多くが様子見姿勢で積極的な売買を見送るなか、相場は短期筋の売買に左右される展開となった。新年度入り直後は金融機関などによる売り観測があるほか、新型コロナを巡る「非常事態宣言」が近日中に発動されれば、相場の下落圧力が一段と強まるとみた短期筋の売りがかさんだ。午後は下げ幅を250円程度まで拡大した。
ただ、いち早い回復が期待される中国と比べた国内経済の先行き懸念は根強いとあって持ちこたえられず、年度ベースでは2017年3月以来となる1万9000円割れで年度末を迎えた。
 
18年度末(3月29日、2万1205円81銭)との比較では10.8%安となった。
 
市場関係者は、新型コロナに関し「米国では依然拡大が止まっておらず、懸念が根強い」と指摘。米議会が検討する新たな経済対策に期待する向きもあるが、「規模感などに不透明感が強く、買い材料に乏しい」という。
 
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比289.33ポイント安の1万2573.18だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、32.50ポイント安の1403.04で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆802億円。売買高は18億6245万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1581と、全体の約7割を占めた。値上がりは546、変わらずは39銘柄だった。
 
業種別株価指数(33種)は、鉄鋼や銀行業、輸送用機器、卸売業、陸運業などの下落が目立ち、上昇は鉱業、石油・石炭製品。
 
一方、ファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)、富士フイルムが上昇した。
 
個別では、ファナック、トヨタ自動車が売られ、みずほFG、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも安い。リクルートホールディングスも値を下げた。NTTドコモやNTTが軟調、第一三共も下落した。オルトプラスが大幅安、わかもと製薬、アルフレッサ ホールディングスも急落した。ダイトウボウも大きく利食われた。
 
半面、ソフトバンクグループは買いが優勢、任天堂、ファーストリテイリングなども値を上げた。オリンパス、富士フイルムホールディングスは商いを伴い上昇。日立製作所も頑強な値動き。ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス、ネオジャパンがストップ高、アルヒも大幅高。このほかブイキューブ、サイボウズが物色人気となった。
 
東証2部株価指数は前日比13.76ポイント安の5223.65ポイントと続落した。
出来高5754万株。値上がり銘柄数は254、値下がり銘柄数は178となった。

個別では、新内外綿、昭和化学工業が一時ストップ安と急落した。鉄人化計画、ササクラ、ジェコー、リヒトラブ、ナガホリなど7銘柄は昨年来安値を更新。マナック、アゼアス、日本精機、日本アビオニクス、川澄化学工業が売られた。
 
一方、大都魚類がストップ高。アイスタディ、三精テクノロジーズ、リンコーコーポレーションは一時ストップ高と値を飛ばした。岡野バルブ製造、フライトホールディングス、誠建設工業、天昇電気工業、フュートレックが買われた。