円相場が1ドル=110円台まで下落したことや、香港や中国・上海の株価指数が上昇したことを受け、投資家の過度な不安心理が後退した。短期志向の投資家による株価指数先物への買い戻しが入り、上げ幅は一時270円を超えた。
前日までの4営業日で日経平均が700円近く下落したことを考えると、文字通り「自律反発」の域を出ない。
新型コロナウイルスによる肺炎感染問題は「最近の下落で株価におおかた織り込まれたと思う」とされるものの、感染ペースが目に見えて減るなど事態収束の明確な兆候が出るまでは、様子見姿勢は残るとみられる。
まだ「小康状態の中で少し上昇方向に振れた程度」とみるべきかもしれない。
新型肺炎の感染拡大が国内景気に及ぼす悪影響への警戒感は根強く、上昇一服後は戻り待ちの売りが出た。
JPX日経インデックス400は8営業日ぶりに反発。終値は前日比61.68ポイント高の1万5015.94だった。東証株価指数(TOPIX)も8営業日ぶりに反発し、6.15ポイント高の1671.86で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1108億円。売買高は11億3397万株だった。値上がり銘柄数は1245と全体の約58%を占めた。値下がり銘柄数は801、変わらずは114銘柄だった。