朝方は売り買いを交錯させていたが、その後は漸次水準を切り下げる展開となった。
株価指数先物が時間外取引で下落すると、東京株式市場にも売りが波及した。日経平均は下げ幅を一時前日比100円強に広げた。
米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感が強まるなか、運用リスク回避目的の売りが優勢だった。
また、リクルートは28日、同社の株主13社が持つ政策保有株を最大1億2150万株(発行済み株式総数の約7.16%)売り出すと発表した。同様の動きが他の企業にも広がれば大量の株式が市場に放出され相場の下落要因になるとの見方も、投資家心理を冷やした。
ただ、中国・上海などアジア株が午後に一時上昇するなど堅調に推移したことや日銀によるETF(上場投資信託)買い期待から、下げ幅を縮めた。取引終了にかけて粘り腰を見せ、小幅安圏内まで戻した。
ドル・円相場は1ドル=105円80銭前後(28日終値は105円73-75銭)で、朝方からはやや円高方向にあったが、影響は限られたようだ。
市場関係者は「米、中、韓、消費税増税といった不透明要素が山積している状況では投資意欲は高まらない」と、警戒感を緩めていなかった。
JPX日経インデックス400も小幅に反落し、終値は前日比1.15ポイント安の1万3314.70だった。
東証1部の出来高は9億9116万株、東証1部の売買代金は概算で1兆6651億円と、12営業日連続で節目の2兆円を割り込んだ。2016年10月に12営業日続けて2兆円を割り込んで以来、2年10カ月ぶりの連続記録となった。
騰落銘柄数は値上がり919銘柄、値下がり1112銘柄、変わらず109銘柄だった。