前日まで日経平均が1400円を超える下げとなったため、自律反発を狙った買いが優勢となった。外国為替市場で円相場が1ドル=115円台半ばと前日に比べて円安・ドル高で推移し、自動車など輸出関連株を中心に追い風となった。
日経平均は午後に上げ幅を拡大した。米株価指数先物が日本時間28日の日中取引で堅調に推移し、日本株に追い風となった。前日に好決算を発表した米アップルなどの時間外取引での株価上昇が支援材料になっている。東京市場では売り方の買い戻しを巻き込み、一時上げ幅は600円に迫った。
午前に伸び悩む場面もあった。上値で短期的な戻りを待った売りが出た。売買代金上位のレーザーテクの下げが続いたことも投資家心理の改善に歯止めをかけた。
市場からは「きのうが下げ過ぎで、自律反発としか言いようがない。目先的に下値確認の感じだが、当面は下値固めをイメージしている。米金利が上昇しているうちは上値は難しい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日ぶり反発。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、前日比34.45ポイント(1.87%)高の1876.89で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3464億円。売買高は13億2965万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1926と、全体の9割近くを占めた。値下がりは219、変わらずは36銘柄だった。
業種別では海運、化学、パルプ・紙などが大幅上昇。鉄鋼が唯一下落しており、その他製品と建設が1%未満の上昇にとどまった。
個別銘柄では、ソフトバンクグループやファーストリテイリングが高く、ソニーグループや日本電産、アドバンテスト、SCREENホールディングスが値を上げた。トヨタ自動車やリクルートホールディングス、日本郵船や川崎汽船など海運株が上昇した。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループといった銀行株もしっかり。業績の増額修正を発表した信越化学工業が急伸した。
半面、レーザーテックや東京エレクトロン、富士通が安く、キヤノンやNECが値を下げた。日本製鉄やジェイ エフ イー ホールディングスといった鉄鋼株が売られた。野村総合研究所やKDDIが軟調だった。
東証2部株価指数は前日比31.88ポイント高の7059.36ポイントと反発した。値上がり銘柄数は255、値下がり銘柄数は149となった。
個別では光陽社がストップ高。ユニバンス、湖北工業、ダイトーケミックス、大盛工業、アップルインターナショナルは値上がり率上位に買われた。
一方、中小企業ホールディングス、DNAチップ研究所、プレミアムウォーターホールディングス、パレモ・ホールディングス、エスビー食品など47銘柄が昨年来安値を更新。東邦金属、クロスプラス、川上塗料、日本ハウズイング、日本アビオニクスは値下がり率上位に売られた。