きょうは主力株中心に売り圧力の強い相場となった。連休明けとなった前日は日経平均が先物主導で600円近い上昇をみせたが、きょうは同じく先物主導でそれを上回る下げ幅となり、波乱含みの地合いだった。日経平均は一時670円強下げる場面もあった。半導体主力株に売りが目立ち全体指数を押し下げたが、業種別に見ても海運株が買われたほかは、ほぼ全面安に近い商状となっている。
前日の欧州株市場はリスクオン一色だったものの、米国株市場ではこれを引き継げず上昇一服の様相をみせ、東京株式市場も様子見ムードが強まった。外国為替市場では円安に振れたが、これを好感する動きは特に見られず、アジア株市場が総じて下落したことも投資家のセンチメントを冷やす格好となった。
7日の米株式市場ではナスダック総合株価指数が4営業日ぶりに反落し、主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.73%下げた。米国の著名投資家が半導体大手の米エヌビディア株の持ち高を減らしたと伝わったことで、日本の半導体関連などハイテク銘柄に対する先行き不透明感につながった。
日本政府・日銀による円買い介入への警戒感も強かった。日銀の植田和男総裁は8日の衆院財務金融委員会で、足元の円安について「これまでのところ基調的物価に大きな影響はなかった」としたうえで「今後影響するリスクは注意深く見ていく」などと語った。円安が進めば当局が為替介入を実施するとの思惑から海外短期筋とみられる株価指数先物への売りが出て指数を押し下げた。
市場関係者は、「外国為替市場で円相場のボラティリティー(変動率)が高まったことで、企業業績と株式相場の先行きが見通しにくくなり、日経平均が戻ったところで利益確定売りを出す投資家が増える要因になっている」とみていた。