前日の米国株市場では複数の経済指標が事前の市場予想を下回る結果だったことを受けNYダウが8日ぶりに反落、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えた様子見ムードが強く、指数は小動きが続いた。
日経平均は前場で節目の3万円に接近する場面もあったが、日米の中央銀行会合を前にあえて上値を買う理由は乏しく、その後は売りに押された。日中の値幅は160円ほどと狭いレンジで推移した。
週末には日銀の金融政策決定会合が予定されていることもあって、積極的に買いポジションを高める動きは見られなかった。
日経平均は前日まで6日続伸でこの間に1200円弱上昇しており、目先利益確定の売り圧力が意識された。一方、下値を売り込む動きもみられず、前日比プラス圏とマイナス圏を往来する展開に。後場に大口の売りが出てマイナス幅を広げ、引け際買い戻されたが戻し切れなかった。
市場の関心はFOMCの結果やその後のパウエル議長の会見を受けた米長期金利の先行きに集中している。重要イベントを前に「(米金利の上昇を背景とする)これまでのバリュー(割安)株買い、グロース(成長)株売りの反対売買がいったん出ているようだ」との声があった。日本製鉄や三菱自が安く、キーエンス、アドテストは高かった。
政府は1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)への緊急事態宣言を21日までの期限で解除する検討に入ったと伝わった。専門家の意見を踏まえたうえで18日に判断する。解除の可能性はある程度相場に織り込まれていたが、経済活動の正常化へ一段と近づくなか改めて鉄道、不動産、百貨店株には買いが向かった。
JPX日経インデックス400は7日続伸し、終値は前日比19.35ポイント高の1万7892.04だった。東証株価指数(TOPIX)も7日続伸し、2.53ポイント高の1984.03と1991年5月以来およそ29年10カ月ぶりの高値を更新した。
東証1部の売買代金は概算で2兆5794億円。売買高は12億5284万株と商いは閑散だった。東証1部の値上がり銘柄数は1409銘柄と全体の6割超を占めた。値下がりは682、変わらずは104銘柄だった。